ふるさと納税の「限度額」としてよく案内されるのは、年間の寄附総額について、所定の控除を受けた後の自己負担を2,000円に収められる目安です。寄附1回ごとに2,000円という意味ではありません。同じ給与収入でも、所得や控除の状況によって変わります。前年の目安表だけで今年の上限を決めず、その年の見込みを確認しましょう。
確認日:2026年10月10日。制度の確認には、国税庁のNo.1155「ふるさと納税(寄附金控除)」(令和8年4月1日現在の法令等)を参照しています。
給与収入だけで税率や上限を決めない
所得税率の確認に使う課税所得と、給与の額面収入は同じではありません(国税庁No.2260「所得税の税率」)。「給与年収500万円だから所得税率20%」という計算はできません。上限の試算では、給与以外の所得、所得控除、税額控除も確認する必要があります。
今年の見積もりを作るときは、次の情報を揃えてください。前年の源泉徴収票や住民税の通知は参考資料になりますが、今年の収入・控除が変わる場合は、そのまま今年の上限として使えません。
| 確認する情報 | 見直す場面 |
|---|---|
| 今年の給与・賞与の見込みと給与以外の所得 | 転職、休職、副業などがある |
| 配偶者・扶養親族の状況 | 家族の所得や扶養状況が変わる |
| 社会保険料や各種の所得控除 | 医療費、iDeCo等の控除を利用する |
| 住宅ローン控除などの税額控除 | ほかの控除と併用する |
| 今年すでに行った寄附の合計と寄附先 | 複数のサイト・自治体を利用する |
シミュレーターを使う場合も、対象年・入力条件・対応する控除を確認します。住宅ローン控除との併用を「必ず同額だけ上限が下がる」と扱うなど、異なる控除を単純に足し引きしないでください。本記事では条件を検証できない年収別の金額表や、個人の上限額の断定は掲載していません。
控除は一つではなく、複数の仕組みで計算される
確定申告の場合、所得税の寄附金控除と住民税の基本分・特例分を合わせて考えます。住民税の特例分には所得割額に対する上限があり、所得税側にも対象となる寄附額の上限があります。復興特別所得税も計算に関係するため、税率を省略した簡易式だけで最終的な寄附額を決めないことが大切です。
自己負担が2,000円に収まる目安を超えると、負担が増える可能性があります。ただし「超えた部分はすべて控除対象外」と一律に計算することもできません。どの控除の上限に達したかで結果が異なるため、国税庁の計算の説明と、自分の条件に対応する試算を照合してください。
ワンストップ特例か、確定申告かを確認する
ワンストップ特例は、確定申告が不要な給与所得者などが、寄附先を5自治体以内に収めて所定の申請をする場合の制度です。5回までという意味ではありません。
医療費控除や初年度の住宅ローン控除などのために確定申告をする場合は、ワンストップ特例の申請が無効になります。申請済みの分を含め、対象の寄附をすべて申告に含めてください。初年度の住宅ローン控除の手続きは、住宅ローン控除の申請手順で確認できます。
寄附の前後で残しておく記録
寄附前には、今年の見込みに基づく試算条件と、すでに寄附した合計額を記録します。年末の寄附は、自治体や決済方法ごとの扱いを確認し、「12月31日23時59分までなら必ず当年扱い」と決めつけないようにしましょう。
寄附後には受領証明書等を保管し、ワンストップ申請または確定申告の手続きを確認します。確定申告では所得税の寄附金控除だけでなく、住民税に関する入力も確認してください。国税庁No.1155から、公式の制度説明や申告作成の案内へ進めます。
