副業の確定申告のやり方を完全解説!初心者でも安心の手順とコツ
副業収入が増えてきたけれど、確定申告のやり方がわからずに困っていませんか?実は、副業の確定申告は思っているより複雑ではありません。国税庁の統計によると、2022年の確定申告者数は約2,300万人で、そのうち約30%が副業収入を申告しています。この記事では、副業の確定申告について、必要な条件から具体的な手順まで、初心者でも理解できるよう詳しく解説します。
副業で確定申告が必要になる条件とは
年間20万円を超える副業所得がある場合
会社員の方が最も気になるのが「いくらから確定申告が必要なのか」という点です。副業の所得(収入から経費を差し引いた金額)が年間20万円を超える場合、確定申告が必要になります。
例えば、フリーランスのWebデザイナーとして副業をしているAさんの場合:
- 年間収入:35万円
- 経費(パソコン代、通信費など):10万円
- 所得:25万円(35万円 – 10万円)
この場合、所得が20万円を超えているため、確定申告が必要です。
住民税の申告は20万円以下でも必要
見落としがちなのが住民税の申告です。副業の所得が20万円以下であっても、住民税の申告は必要です。ただし、確定申告をした場合は、その情報が自動的に市区町村に送られるため、別途住民税の申告をする必要はありません。
副業の種類による申告方法の違い
副業の種類によって、申告方法が異なります:
- 雑所得:ブログ収入、アフィリエイト、単発の講師業など
- 事業所得:継続的で事業性のある副業
- 給与所得:アルバイトやパートでの副業
確定申告に必要な書類と準備するもの
基本的な必要書類一覧
確定申告をスムーズに進めるために、以下の書類を事前に準備しましょう:
- 本業の源泉徴収票
- 副業の収入がわかる書類(支払調書、振込明細など)
- 経費の領収書・レシート
- マイナンバーカードまたは通知カード
- 本人確認書類(運転免許証など)
- 銀行口座の通帳(還付金受取用)
収入と経費の記録方法
副業を始めたら、最初から収入と経費をきちんと記録することが重要です。簡単な家計簿アプリやExcelでも十分です。
例えば、ライター業の副業をしているBさんの記録例:
- 4月15日:記事執筆料 15,000円(○○企業)
- 4月20日:参考書籍代 2,500円(経費)
- 4月25日:取材交通費 800円(経費)
経費として認められるものの具体例
副業に直接関係する費用は経費として計上できます:
- 書籍・資料代
- 通信費(副業で使用した分のみ)
- 交通費
- パソコンやソフトウェア代
- セミナー・研修費
- 文房具代
確定申告書の作成手順
国税庁の確定申告書等作成コーナーの使い方
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を使えば、無料で申告書を作成できます。画面の指示に従って入力するだけで、税額の計算も自動で行われます。
作成手順:
- 国税庁ホームページにアクセス
- 「確定申告書等作成コーナー」をクリック
- 「作成開始」を選択
- 提出方法を選択(e-Tax、印刷して郵送など)
収入金額と所得金額の入力方法
副業の種類に応じて、適切な項目に入力します:
- 給与所得:「給与所得」の欄に源泉徴収票の内容を入力
- 雑所得:「雑所得」の欄に収入金額と必要経費を入力
- 事業所得:「事業所得」の欄に青色申告決算書の内容を転記
所得控除の入力と税額計算
基礎控除(48万円)や社会保険料控除などの所得控除を忘れずに入力しましょう。これらの控除により、納税額が大幅に変わることがあります。
e-Taxでの電子申告のメリットと手順
e-Taxを利用する3つのメリット
電子申告(e-Tax)には以下のメリットがあります:
- 24時間いつでも申告可能(メンテナンス時間を除く)
- 還付金の受取が早い(約3週間、書面提出は1〜2か月)
- 添付書類の提出を省略できる場合がある
マイナンバーカードを使った申告手順
マイナンバーカードがあれば、より簡単にe-Taxを利用できます:
- ICカードリーダーまたはスマートフォンを準備
- 「マイナポータル連携」で自動入力を活用
- 電子署名により本人確認が完了
スマートフォンでの申告方法
2019年からスマートフォンでの確定申告も可能になりました。給与所得と雑所得の組み合わせなど、一定の条件を満たせばスマホだけで申告を完了できます。
副業バレを防ぐための住民税の対策
住民税の徴収方法を「普通徴収」に変更
会社に副業がバレる最も多い原因が住民税の増額です。確定申告書の「住民税に関する事項」で「自分で納付」を選択することで、副業分の住民税を自分で支払うことができます。
給与所得の副業は完全に隠すのが困難
アルバイトやパートなどの給与所得の場合、普通徴収を選択しても会社にバレる可能性があります。これは、給与所得は原則として特別徴収(会社での天引き)が義務付けられているためです。
副業バレのリスクを最小限にする方法
プログラマーとして副業をしているCさんの対策例:
- 副業は業務委託契約(給与所得ではなく雑所得)で行う
- 確定申告で「自分で納付」を必ず選択
- 住民税の納付書は確実に自分で受け取り、期限内に支払う
よくある間違いと注意点
経費の過大計上に要注意
節税のために経費を多く計上したくなりますが、副業に直接関係のない費用は経費として認められません。例えば、在宅ワークの場合、家賃や光熱費の一部は経費にできますが、全額を経費にすることはできません。
申告期限を過ぎた場合のペナルティ
確定申告の期限は毎年3月15日です。期限を過ぎると以下のペナルティが発生します:
- 無申告加算税:納税額の15〜20%
- 延滞税:年7.3〜14.6%
修正申告が必要になるケース
申告後に間違いに気づいた場合は、修正申告または更正の請求を行います。納税額が増える場合は修正申告、減る場合は更正の請求となります。
確定申告後の手続きと今後の準備
納税と還付金の受取
確定申告により納税が必要な場合は、申告期限までに納付します。還付金がある場合は、指定した口座に振り込まれます。e-Taxなら約3週間、書面提出なら1〜2か月程度で振り込まれます。
来年の確定申告に向けた準備
今年の反省を活かして、来年はより効率的に申告できるよう準備しましょう:
- 会計ソフトや家計簿アプリの導入を検討
- 領収書の整理方法を確立
- 青色申告承認申請書の提出を検討(事業所得の場合)
青色申告への切り替えを検討
副業が軌道に乗り、継続的な事業として認められる場合は、青色申告への切り替えを検討しましょう。65万円の特別控除により、大幅な節税効果が期待できます。
副業の確定申告は、正しい知識と準備があれば決して難しくありません。年間20万円を超える副業所得がある場合は必ず申告し、適切な税務処理を行いましょう。国税庁の確定申告書等作成コーナーを活用すれば、初心者でも安心して申告書を作成できます。また、副業バレを防ぐためには住民税の徴収方法に注意し、「自分で納付」を選択することが重要です。今年の申告を機に、来年に向けた記帳体制も整えて、より効率的な税務管理を目指しましょう。
