住宅ローン控除13年延長の条件と申請方法を徹底解説【2025年版】

住宅ローン控除13年延長の条件と申請方法を徹底解説【2025年版】

住宅ローン控除は、マイホームを購入した方にとって大きな税制優遇制度です。通常10年間の控除期間が13年間に延長される特例措置があることをご存知でしょうか。2025年現在も継続されているこの制度を活用すれば、最大で数十万円の税負担軽減が期待できます。本記事では、13年延長の適用条件から申請手続きまで、実際の事例を交えながら詳しく解説していきます。

目次

住宅ローン控除13年延長制度の概要

A bunch of houses that are sitting in the grass

基本的な仕組み

住宅ローン控除の13年延長制度は、消費税率引き上げに伴う住宅購入者の負担軽減を目的として導入されました。通常の住宅ローン控除は10年間ですが、一定の条件を満たすことで3年間延長され、合計13年間の控除を受けられます。

延長される3年間(11年目〜13年目)の控除額は、以下の2つのうち少ない方の金額となります:

  • 年末ローン残高の0.7%
  • 建物購入価格の2%÷3年間

2026年の制度変更点

2025年度税制改正により、住宅ローン控除制度にいくつかの変更が加えられました。控除率は従来の1%から0.7%に引き下げられましたが、13年延長の仕組みは維持されています。また、環境性能の高い住宅に対する優遇措置がより明確化されました。

対象となる住宅の種類

13年延長の対象となる住宅は主に以下の通りです:

  • 認定長期優良住宅
  • 認定低炭素住宅
  • ZEH水準省エネ住宅
  • 省エネ基準適合住宅
  • その他の住宅(一定の条件下)

13年延長の適用条件

a yellow building with two doors and a window

入居時期による条件

2025年現在、13年延長を受けるための入居時期に関する条件は以下の通りです:

  • 2026年1月1日から2025年12月31日までに入居
  • 住宅の種類により入居期限が異なる場合がある
  • 建築確認申請の時期も考慮される

実際の事例として、田中さん(仮名)は2025年3月にZEH水準省エネ住宅を購入し、同年5月に入居しました。この場合、入居時期の条件を満たしているため、13年延長の対象となります。

住宅の性能基準

住宅の環境性能によって控除限度額と延長適用の可否が決まります。2025年の基準では:

  • 認定住宅(長期優良・低炭素):借入限度額5,000万円
  • ZEH水準省エネ住宅:借入限度額4,500万円
  • 省エネ基準適合住宅:借入限度額4,000万円
  • その他の住宅:借入限度額3,000万円(2025年以降入居は対象外の場合あり)

所得制限と面積要件

控除を受けるための基本要件も確認しておきましょう:

  • 合計所得金額が2,000万円以下
  • 床面積が50㎡以上(所得1,000万円以下の場合は40㎡以上も可)
  • 住宅ローンの返済期間が10年以上

控除額の計算方法と実例

a black and white photo of a row of houses

1年目〜10年目の控除額

控除期間の前半10年間は、年末ローン残高の0.7%が控除額となります。ただし、住宅の種類により上限額が設定されています。

計算例1:佐藤さんのケース
認定長期優良住宅を購入、年末ローン残高4,800万円の場合:
4,800万円 × 0.7% = 33.6万円(年間控除額)

11年目〜13年目の控除額

延長期間の3年間は、以下の計算式で求められる金額のうち、少ない方が適用されます:

  • 年末ローン残高 × 0.7%
  • 建物購入価格 × 2% ÷ 3年

計算例2:山田さんのケース
建物価格3,000万円、11年目の年末ローン残高2,500万円の場合:
①2,500万円 × 0.7% = 17.5万円
②3,000万円 × 2% ÷ 3 = 20万円
→ 少ない方の17.5万円が控除額

総控除額のシミュレーション

計算例3:鈴木さんのケース(ZEH水準省エネ住宅)

購入価格4,200万円(建物3,200万円)、借入額4,000万円で13年間の総控除額を計算すると:

  • 1〜10年目:平均年間控除額約25万円 × 10年 = 250万円
  • 11〜13年目:平均年間控除額約18万円 × 3年 = 54万円
  • 総控除額:約304万円

申請手続きと必要書類

初年度の確定申告

住宅ローン控除を受けるには、入居した年の翌年に確定申告が必要です。2025年に入居した場合、2026年2月16日〜3月15日の確定申告期間中に手続きを行います。

必要書類は以下の通りです:

  • 住宅借入金等特別控除額の計算明細書
  • 住宅ローンの年末残高証明書
  • 住民票の写し
  • 登記事項証明書
  • 売買契約書または建築請負契約書のコピー
  • 住宅性能を証明する書類(省エネ基準適合証明書等)

2年目以降の手続き

給与所得者の場合、2年目以降は年末調整で控除を受けられます。勤務先に以下の書類を提出します:

  • 給与所得者の住宅借入金等特別控除申告書
  • 住宅ローンの年末残高証明書

電子申告の活用

2025年現在、e-Taxを利用した電子申告が普及しており、自宅からでも手続きが可能です。マイナンバーカードがあれば、より簡単に申告できます。国税庁のホームページにある「確定申告書等作成コーナー」を活用すれば、控除額の自動計算も行われます。

よくある質問と注意点

延長適用の判定時期

「いつの時点で13年延長の対象となるかわからない」という質問をよく受けます。判定は住宅の引き渡し時点の性能基準と入居時期で行われます。後から住宅の性能を向上させても、遡って適用されることはありません。

中古住宅の取り扱い

中古住宅の場合も、一定の条件を満たせば13年延長の対象となります。ただし、以下の点に注意が必要です:

  • 耐震基準適合証明書の取得が必要な場合がある
  • 築年数による制限がある
  • リフォームを伴う場合は別途要件がある

繰り上げ返済の影響

繰り上げ返済により返済期間が10年未満になった場合、その時点で住宅ローン控除の適用が終了します。13年延長を最大限活用したい場合は、繰り上げ返済のタイミングを慎重に検討する必要があります。

2026年の制度改正と今後の見通し

環境性能重視の傾向

2025年の制度では、環境性能の高い住宅により手厚い優遇措置が講じられています。カーボンニュートラル実現に向けた政府の方針を反映し、省エネ性能の低い住宅は段階的に優遇措置が縮小される傾向にあります。

申請手続きのデジタル化

2025年からは、住宅性能証明書の電子化が進み、申請手続きがより簡素化されています。また、金融機関との連携により、年末残高証明書の電子交付も拡大しており、利便性が向上しています。

制度の継続性

住宅ローン控除13年延長制度は、現在のところ2025年12月31日入居分まで適用される予定です。ただし、経済情勢や税制改正により変更される可能性があるため、住宅購入を検討している方は最新情報を定期的に確認することをお勧めします。

まとめ

住宅ローン控除の13年延長制度は、適切に活用すれば数百万円の税負担軽減効果が期待できる重要な制度です。2025年現在も継続されているこの制度を最大限活用するには、住宅の環境性能や入居時期などの条件を事前に確認し、必要な書類を適切に準備することが重要です。制度は複雑な面もありますが、専門家に相談しながら進めれば、確実に恩恵を受けることができるでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

地方銀行で15年間勤務。融資担当として中小企業の財務分析に従事する中で、「会社ではなく個人が資産を持つ時代」を痛感。36歳で銀行を退職し、副業で貯めた資金700万円を元手に本格的な投資生活をスタート。

退職後は失敗も経験。最初の2年間で150万円を損失。「会社員時代の貯金があったから乗り越えられた」と振り返る。その後、投資手法を見直し、現在は年間配当収入約180万円を確保。ブログ収益と合わせて生活している。

専門分野: 投資・資産運用、確定申告・税金対策、副業コンサルティング、NISA・iDeCo運用

目次